外壁塗装は本当に必要？メリットとデメリットについて

築10年もたつと、お家にはさまざまな劣化が見られるようになります。
外壁以外に室内のフローリングや壁紙クロスも、10年ほどで張替えの時期と言われており、そのままだと汚れのほかに床鳴りや軋みが目立ってくるでしょう。
ただ、多少不具合が見えるようになっても、目をつぶればどうということはない。このような理由でリフォームを見送る方も多いかと思います。

しかし、外壁塗装はそうも言っていられず、劣化を見過ごすと大変な目に遭う可能性が。

今回は外壁塗装がもつメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。

■外壁塗装で得られるメリット

外壁塗装は塗装して外観をきれいにするという面が強いですが、お家のメンテナンスも兼ねているため、実は多くのメリットを得られます。

・ダメージを抑えられる
お家の寿命は、定期的に手入れをされているかどうかで決まると言ってもいいでしょう。
外壁塗装をする・しないで家の耐久性が大きく変わってしまう可能性から、リフォームのなかでも重要度の高い位置づけにあります。
常日ごろ、お家は紫外線や風雨、飛来物などのダメージを負っていますが、微々たるものでも10年もたてば大きなものになっています。
たとえば外壁にひびが入ったり、汚れたりといった変化が見られ、その劣化部分からさらに劣化が進むのがほとんど。
みかんを箱で買うと、底にあるみかんが腐ってほかのみかんにも広がるという事象がありますが、外壁にも同じことが起こり得ます。そのまま放置してしまうと、雨水が隙間から入り込んで建材が腐食してしまい、最悪耐震性にも影響が出てしまうことに。
外壁塗装は塗装以外にひび割れ補修などのメンテナンス工事も兼ねているので、お家を長持ちさせられる工事なのです。

・外観が美しくよみがえる
外壁が劣化すると防水性が切れてしまうので、雨水を吸うようになります。
そうすると、外壁についた汚れが雨水で流れないようになり、モルタルだとでこぼことした表面に留まってしまうでしょう。
結果、新築時に比べて汚れていたり、紫外線によって色あせていたりと見劣りする見た目に。
もし、この状態でお家を売りに出したとしても、なかなか買い手がつかないかもしれません。
塗装すれば、汚れた外壁が美しくよみがえります。
今までとは違うカラーリングにすることもできるので、新しい見た目の我が家に愛着を覚えることもあるでしょう。

・機能性が付加される
現在はさまざまな塗料が開発されており、中には断熱や遮熱といった機能をもつ塗料も登場しています。
これは外壁や屋根に塗装することで、断熱機能・遮熱機能が働き、室内の気温変化を抑えられるというもの。
屋根に遮熱塗料を塗ったところ、表面温度が15～20℃ほど下がったという例も報告されているため、光熱費の削減などに大いに役立てられるでしょう。
ほかに光触媒を配合した塗料は、汚れが表面についても中に含まれる酸化チタンが分解する作用を持つので、長くきれいな状態を保てます。

・虫の発生を抑えられる
やや間接的ではありますが、外壁塗装で虫の発生を抑えることにもつながるでしょう。
築10年ほどがたてば外壁の表面にひび割れ、シーリングの剥がれなどの劣化が起こりますが、その隙間から虫が入り込むようになります。
とくにアリなどの小さな虫は入りやすいうえに、1匹どころか群れで浸入するので、駆除をするのに時間も費用も掛かる傾向が。
ひび割れや隙間は補修工事で埋められるので、塗装工事後は虫を見かけなくなるかもしれません。

・メンテナンス費用を抑えられる
外壁塗装をすると、長い目で見ればメンテナンス費用を抑えられます。
たしかに1度の工事で約100万円がかかるので、高額な印象がある外壁塗装ですが、何もしないまま20年ほどがたつと建て替え工事に発展してしまう可能性があります。
雨漏りなどが深刻になると家の構造が脆弱になってしまうので、塗装という少ない力では太刀打ちできなくなり、結果的に損をしてしまうのです。
家を長持ちさせるためには、健康診断のように定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。

■デメリットはある？

外壁塗装自体にデメリットはないと言えます。
強いて言うなら、悪徳業者に当たる可能性があるというところでしょうか。
外壁塗装は一部を安い塗料にしたり手抜きをしたりしても、なかなか気づかれにくいところがあるため、利益を上げようと躍起になる悪徳業者が後を絶ちません。
このような業者に当たらないために、以下の点に注意して選ぶようにしてみるといいでしょう。
これらにあてはまったら、悪徳業者かもしれません。

・訪問営業だった
・大幅な値引きやキャンペーンを謳う
・自社開発した塗料などをすすめてくる
・足場を無料にするという
・「早く塗装しないと危ない」など不安をあおってくる

■なぜ10年が目安なのか

外壁塗装の目安は築10年とされています。なぜなのでしょうか。

・外壁材の保証期間が10年であることが多い
日本のお家のほとんどは、窯業系サイディングや金属サイディングという外壁材が使用されています。
これらの外壁材の保証期間は約10年と設定されていることが多く、それ以降については不具合が起きてもメーカーによる補修は受けられません。
10年を超えてしまうと外壁塗装なしではお家を保つのが難しいという認識があり、メーカー側も塗替えや点検を推奨している側面があります。

・新築住宅の保証が切れるから
家を建てると、さまざまな保証がつきます。
なかでも構造に関わるものは「瑕疵担保責任」とよばれており、法律上は必ず加入しなければなりません。外壁や屋根は「雨水の浸入を防止する部分」にあたるので、10年の保証がついています。
この10年の保証が切れて、何もしない状態が続いてしまえば、お家へのダメージもより積み重なる懸念があるでしょう。

・シーリングや屋根の劣化と重なるから
外壁以外に、目地部分を埋めるシーリングや屋根も10年が塗装・補修の目安となっています。
これらも劣化してしまうと、雨漏りのリスクが高まってしまうので、そのままにしておくのは危険です。
次回の工事のタイミングもそろうことから、外壁塗装や屋根塗装は同時に行うことをオススメします。